ハウスメーカーを選ぶうえで、アフターメンテナンスに関する対応は重要な判断材料となります。しかし、いざハウスメーカーを選定しようと思っても、アフターメンテナンスで注目すべきポイントや、どんなメーカーを選べばよいか分からないと最初は感じるのではないでしょうか。
今回は、アフターメンテナンスに関しておすすめのハウスメーカーを7社解説します。ハウスメーカー選びの参考資料として、ぜひご覧ください。
アフターメンテナンスを比較する際のポイント
ハウスメーカーによって、アフターメンテナンスは内容にバラつきがあります。今回は、アフターメンテナンスを比較する際に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
保証内容
設けている保証内容は、ハウスメーカーによってさまざまです。法律で定められている保証以外に、保証期間の延長や保証に関するサービスを追加で提供しているメーカーも存在するため、利用前に確認しておきましょう。
たとえば、シロアリによる被害に対する保証も保証期間に含まれていたり、24時間365日対応しているなど、メーカーが打ち出している保証内容は多岐にわたります。とくに魅力を感じる保証内容を提供しているメーカーがあれば、ぜひ候補として挙げてみましょう。
保証期間を延長するための条件
一般的には、ハウスメーカーが一旦定めた保証期間を延長するためには条件を満たす必要があります。一般的には、有償メンテナンスや定期点検を受けることを条件にしています。
ただし、1回のメンテナンス料金が高く設定されているメーカーもあるため、その場合は経済的負担が大きくなってしまいます。保証内容や保証期間を複数のメーカーで比較し、満足できそうなメーカーを選択しましょう。
アフターサービスの内容
ハウスメーカーとは長い付き合いになるため、アフターサービスが充実しているメーカーであれば、何か起こった際でも安心でしょう。
各メーカーが打ち出しているアフターサービスとしては、消耗品の購入やメンテナンス依頼を気軽に行えるアプリやオーナー同士の交流が図れるコミュニティの提供など、実にさまざまです。
アフターメンテナンスに関しておすすめのハウスメーカー7社
数あるハウスメーカーのなかでも、アフターメンテナンスが充実しているハウスメーカーを7社ピックアップしました。
一条工務店
一条工務店は、メンテナンスに関するサポートを気軽に受けられるのが大きな魅力です。具体的には「i-サポ」というスマートフォン用アプリをインストールしておくと、消耗品の注文やメンテナンスの依頼が気軽に行えます。
消耗品は住んでいる家専用のもののみがラインナップされているため型番の確認を行う必要がなく、メンテナンスの依頼は不具合のある箇所を撮影して画像を送付するのみで可能です。メンテナンスの依頼は24時間受け付けているため、時間帯も問いません。
そのほかでは、長期保証が大きな特徴です。初期保証は、構造躯体30年・防水15年となっています。防水に関しては、有償メンテナンスの実施を条件に、保証期間の延長は最長30年まで可能です。
セキスイハイム
セキスイハイム最大の特徴は、保証延長可能期間の長さです。5年目から5年ごとに、無償の定期点検を60年目まで受けられます。一生の付き合いとなる家だからこそ、これだけ長い保証期間が付いているのは大きな安心材料となるでしょう。
また長期保証として、構造耐力上主力な部分・雨水の侵入を防止する部分・磁器タイル外壁(下地および仕上げ材)に対して30年間の保証期間が付いています。ただし、対象となる商品や条件がある点には注意しましょう。
積水ハウス
積水ハウスは、条件を満たせば永年保証となるのが最大の魅力です。具体的には、初期保証終了後でも有料点検や有償工事を定期的に依頼することで、保証期間が延長されます。積水ハウスはこの永年保証を「ユートラスシステム」と名付け、安全な住まいの提供を継続しています。
初期保証自体も構造躯体と防水に関しての無料点検となっており、その期間は30年間です。実際には5年ごとに無料点検を受けられ、条件を満たすと必要な補修工事も無料となります。
また、わが家の履歴情報は「いえろぐ」という独自の蓄積・更新台帳に随時記録されるため、メンテナンス時の必要な手配が迅速に行われます。
大和ハウス
大和ハウスは、保証期間の長さが特徴的です。初期保証としては、構造耐力上主力な部分・雨水の侵入を防止する部分に対して30年付いています。
31年目以降は有料のメンテナンス工事を受けることを条件に、15年間の保証延長が可能です。15年間の保証延長は2回までですが、希望すると60年以降も有料の耐久性能調査をもとに、必要な有料メンテナンス工事と保証期限の提示を受けられます。
タマホーム
タマホームは、構造躯体・防水・シロアリに対して初期保証が10年付いています。初期保証終了後は、条件として10年ごとに有償のメンテナンス工事と定期点検を受けると、長期優良住宅の場合は最長60年・長期優良住宅以外であれば最長30年まで保証の延長ができます。
また、日々の暮らしで起こりうる一部のトラブルに関しては、駆けつけ・一次対応が無料です。無料の対象としては、お風呂やトイレなどの水回り・換気フィルターの交換(フィルター代は含まない)・電気に関するトラブルです。24時間365日対応しているため、真夜中でも安心して依頼できるでしょう。
ミサワホーム
ミサワホームは、構造躯体に35年・防水に30年・シロアリに10年の初期保証が付いています。保証期間を延長するためには、定期点検を欠かさず受け、必要に応じては有償の耐久工事も受けることが主な条件です。
保証期間のほかにも、オーナーに向けた情報を発信する「ミサワオーナーズクラブ」や台風や地震などの災害時に迅速な対応を行う「災害時待機体制」など、日々の暮らしに役立つサポートが豊富です。
とくに、災害時待機体制では、災害の種類に合わせて必要な人員を揃え、緊急体制を整えています。たとえば、台風の場合は規模や進路によって、工場やメーカー、ディーラーなどが24時間体制で緊急時の対応ができるように備えています。
ユニバーサルホーム
ユニバーサルホームは、構造・防水・シロアリに対して10年の初期保証が付いており、条件を満たすと最長30年まで保証期間を延長できます。また、地盤に関しては永年保証となっています。いずれの保証も、10年ごとに有償メンテナンスを受けることが条件です。
とくに地盤に関しては、不同沈下が原因で建物に損傷が発生した場合は、一物件につき最高5,000万円まで保証されます。
ほかにも、対象住宅に基礎が原因の損害が発生した場合に2,500万円まで保証される地熱床システム保証や、トイレやキッチンなどの住宅設備の保証を10年間受けられる住設あんしんサポートなど、住宅の一部に関する保証も充実しています。
ハウスメーカー問わず新築なら基礎と雨漏りは10年間保証
2000年4月1日に住宅品質確保法が施行されたことにより、新築の住宅に関しては基礎部分と雨漏りに関する部分には無料の初期保証を10年間付けることが義務付けられました。そのため、どのハウスメーカーにも基礎部分と雨漏りに関する部分には無料の初期保証が10年間付いています。
具体的な保証対象は、構造耐力上主要な部分(床板・土台・壁・柱・梁など)と雨水の侵入を防止する部分(屋根・外壁・開口部など)です。キッチンやサッシなどの住宅の内装に関しては、対象外となるため注意しましょう。
まとめ
今回は、アフターメンテナンスに関しておすすめのハウスメーカー7社について解説しました。法律で定められている保証内容にプラスして、保証期間の長さやアフターメンテナンスの内容で各ハウスメーカーは差別化を図っています。
今回紹介したハウスメーカー7社は、アフターメンテナンスに関してとくにおすすめのメーカーです。今回紹介したハウスメーカーを候補として取り入れ、最終的には金額や担当者の対応などを含め、総合的に判断していくことをおすすめします。
代表:長岡 理知(ながおか みちとも)
■プロフィール
2005年よりプルデンシャル生命保険株式会社入社。 大手住宅メーカー専属のFPとして年間200世帯を超える資金相談会を開催。累計相談件数が3000世帯を超える。
2020年に住宅取得専門のファイナンシャルプランナーとして独立。
住宅を購入する際の予算決めと家計分析、リスク対策を専門業務とする。
住宅ローンに関する多様な記事の執筆・監修も積極的に担当。