注文住宅と聞くと間取りや外観、設備選びが大変というイメージを持つ人も多いでしょう。窓の位置や種類にもこだわることで、安心・快適に暮らすことが可能です。今回は、注文住宅の概要や窓の種類ごとの特徴に加え、窓の選び方のポイントについても解説します。注文住宅購入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
注文住宅とは?
注文住宅とは、購入した土地または所有している土地に、施主が自由に間取り・外観・内装を決めて建てる一戸建て住宅のことを指します。
を1から決めてマイホームを作り上げられるため、強いこだわりや理想がある人にはぴったりです。戸建てマイホームの選択肢には、注文住宅のほかに建売住宅があります。
建売住宅はすでに建設済みの新築住宅を購入することになるため、実際の建物をチェックして購入できるというメリットがある反面、間取りや外観はすでにでき上がっていることから、施主の理想を反映させられないというデメリットもあるのが特徴です。
一般的に、注文住宅は建売住宅よりも自由度は高い分、費用も高くなりやすいです。
窓の種類と特徴
注文住宅は施主がハウスメーカーや工務店の担当者とともに1から設計や間取り、外観を決定できます。そのため、部屋数や広さはもちろん、壁紙や床、扉、窓に至るまで、すべてをひとつひとつ選ぶことが必要です。
特に窓は種類が多いうえ、デザイン性だけでは決められず、特徴や用途を十分に理解して選択しなければなりません。ここでは、注文住宅購入時に役立つ窓の種類とそれぞれの特徴について詳しく解説します。
引き違い窓
一般家庭でもっともよく使われている窓です。2枚の窓ガラスを横に動かして開け閉めできるため、力の弱い高齢者や小さな子どもでもスムーズに動かせます。
ただし、特に2階以上の窓として採用する場合は、外側からのクリーニングが難しい点がデメリットとなります。
上げ下げ窓
引き違い窓のスライド方向を上下に変えた窓です。建物の外から侵入するのが困難となるため、引き違い窓と比較すると防犯性能が高いといえます。
ただし、開閉に多少の力がいることから、力の弱い高齢者などには重く感じるケースもあるでしょう。
すべり出し窓
ガラス窓を外側にスライドさせて押し出すようにして開ける窓です。すべり出し窓には横・縦の2タイプがありますが、一般的には横すべり出し窓が多いです。
窓の設置に広いスペースが必要なく、手軽に換気できる点がメリットとなります。ただし、すべり出し窓は外側に押し出すようにして開くという性質から、面格子がつけられないことを頭に入れておきましょう。
はめ殺し窓
はめ殺し窓は開閉しない窓であり、FIX窓とも呼ばれます。外の景色を眺めることや光を取り入れることを目的として設置されることが多く、部屋のワンポイントとしてデザインにこだわった窓も多いです。
しかし、窓ガラスには壁のような高い断熱性がないことから、設置位置によっては暑さ・寒さを感じる原因にもなります。
ルーバー窓
お風呂場やトイレに取り入れられているハンドル開閉式の窓です。細長い窓ガラスが羽根状に重なっていることから、外からの視界を遮れるというメリットがあります。
ただし、外側から簡単に取り外しが可能であることや、気密性・断熱性が低いことから、近年では新築住宅に取り入れられることは減少しています。
窓の選び方の秘訣
注文住宅の窓選びの際は、窓の種類を把握するとともに、設置場所に合わせて最適な窓を選ぶことが必要です。ここでは、窓の選び方の秘訣について詳しく解説します。
中の様子を見られたくない場合はすりガラスを選択する
通常の窓ガラスは透明であり、外からも中からもガラスの向こう側が見えてしまいます。道路側や隣家から見えやすい場所に窓を設置する場合は目隠しをするか、向こう側が見えないすりガラスを選択するのもひとつの方法です。
彩光や風通しを意識する
窓ガラスを設置する際は採光や風通しについても考慮しましょう。光や風をうまく取り込めれば、部屋全体が明るくなり、自然の風を感じながら快適に過ごすことが可能です。
防犯性に優れた窓を選ぶ
引き違い窓は外から侵入しやすく、ルーバー窓は取り外されてしまう可能性があります。場所や大きさによっては問題なく設置できるケースもありますが、防犯性が気になる場合は面格子を取り入れるのがおすすめです。
気密性・断熱性に注目する
窓の面積が広くなればなるほど、部屋全体の断熱性が下がります。最近では断熱性や気密性に優れた窓枠・窓ガラスも数多く販売されているため、各製品の特徴をしっかりとチェックしましょう。
まとめ
今回は、注文住宅に設置する窓について、種類や選び方などを詳しく解説しました。
注文住宅はオーダーメイドで理想の設計を形にできるというメリットがある反面、設備や素材選びに時間がかかったり、何を選ぶべきか分からなくなったりする人も多いです。
窓には引き違い窓や上げ下げ窓などのさまざまな種類があり、それぞれでメリット・デメリットも異なります。窓を選ぶ際は種類ごとの特徴を十分に理解するとともに、外から見られたくない場所ではすりガラスを採用する、防犯性に注目して面格子をつけるなどの工夫を取り入れましょう。
代表:長岡 理知(ながおか みちとも)
■プロフィール
2005年よりプルデンシャル生命保険株式会社入社。 大手住宅メーカー専属のFPとして年間200世帯を超える資金相談会を開催。累計相談件数が3000世帯を超える。
2020年に住宅取得専門のファイナンシャルプランナーとして独立。
住宅を購入する際の予算決めと家計分析、リスク対策を専門業務とする。
住宅ローンに関する多様な記事の執筆・監修も積極的に担当。